2005-01-01から1年間の記事一覧

林檎のある風景

頂が咀嚼された林檎が縁側に一つ。 鴉か雀か、はたまた隣の庭石に腰掛ける可愛らしい少女か、何処のどなたかは存じないが誰か心無き者が林檎のてっぺんのみを喰らい縁側に置いていったのは確かで、そこにあるのは頭のない真っ赤な林檎という滑稽な代物、それ…

告知らしきもの

皆さんで集まりまして短い期間で馬鹿騒ぎでもをしませんか的な祭典が行われようで、私もなにやら参加が決まりましたことをここにお知らせいたします。私はどうにも場違いで、見るに耐えないような結果になりそうなのですけれども、そんな中で辱めを受けるく…

マヨルカの夏

今年の夏も何もせずに終わった。 温暖化だかヒートアイランドだか知らないが、毎日毎日照りつける太陽とねちねちとした湿気が俺の身体にまとわりついて東京の糞暑さを助長するのであって、そこで俺と言えば暑さや倦怠感やらと理由をつけては家から出ることも…

いい加減更新頻度が低いので長いのを書いてみたのですが何だかんだでミラージュ、怠惰な生活も終わりを告げ、日常が始まるということで、ちょっとばかり更新頻度を上げていきます。 もう二度とこんな長いのはかかないと心に決めました。

接吻

西日が山の彼方に姿を消してそろそろ夕焼けと闇の境目かもしれないし或いは既に俺は闇に取り込まれているのかもしれない否俺の人生こそが闇すなわち俺はこの場所に居てはいけない存在でありだからこそどこかへ行こうそうだ新宿アルタ前に行こう、というよう…

生と死のアプリケーション

死とは何か、それは人間が未来永劫追い求めていくことを義務付けられた一つの枷、すなわち人間或いは生物全体はその鎖で以って縛られ、そもそも初めから自由を奪われているという形態を経て我々は生物であることを定義される、基本的に曖昧模糊とした我々の…

更新

腐った思考を詰めて煮て焼いて電子レンジでチンしたらスパイラル。

更新

なにやら交通事故でポックリと死にかけまして、そのことについて色々と書きたいのですが、午前四時まで粘っても纏まりません、理論上ではなく実践的な面からの形而上学へのアプローチは非常に難しいと知るとともに、その深さに恐れ入ります、或いはその浅さ…

少女の憂鬱:弐

俺=外見女:基本事項 例えば俺という人間に対して「少女」という記号を与えてみる、長い睫毛だとか、虹彩を放つ大きな瞳だとか、少女であることを主張する胸だとか、そういうこと、記号化された存在は外観のみならず社会的変化をも遂げ、つまりは体裁的制約…

少女の憂鬱:壱

俺=男:基本事項 なんだか知らないが俺には二つ離れた姉が居て、だいたいにおいて腐った行動をばかりしては俺を困らせ、俺を困らせては快感を得ている所謂変態野郎なのだが、奴の耳にはジッパーが装着されている、「YKK」、そのジッパーを降ろすといったい…

A PERFECT DAY

潮の匂いが海の上に建つコテージを包み込む、月が波に揺らぎ星屑がそれを飾る、夜空には北斗七星が掛かってたが、現在はビーチ脇に佇む椰子の樹が丁度邪魔をしていて見えない、桟橋から足を投げ出し胸ポケットからマッチを取り出し擦る、俺は葉巻を燻らせた…

Musical Baton

ところで、「Musical Baton」なる企画がありまして、実は二日ほど前に「PROJECT!3」様という大変老舗の方から回ってきたのですが、きっと何かの間違いか何かの罠に違いない(例えばバトンを五本誰かに渡さないと死のノートに名前を書かれるとか)、と思いま…

日記

創作ばかりしていると息がつまるというか、長くて貴様の文章なんて読んでられるかこの肥溜め野郎が、という方もたくさん居ると思われまして、サブドメインというものをハテナさんに戴いたことを期に、私も少しばかり旅にでようかと、嘘、ただ女がすなる日記…

思春期

思春期と呼ばれる年齢やら情緒が必ず僕たちには訪れるそうで、その実態のない或る種の感情は、僕にとって理解に苦しむような代物だったのだけれども、今なら少しだけそういうものの存在を認めることが出来るかもしれない。十四歳、校庭の真ん中。 僕が通う学…

サナトリウム

小さくて軽くて華奢で何やら誰かが乗るだけで壊れてしまいそうなそんな儚さを伴う自転車でも坂道を風切って進んでいく、例えば俺が必死で自転車を漕ぐことで発生する作用だとか、俺の体重だとか、そもそも遥か天上まで届く空気が寄り集まって圧し掛かる重さ…

人体のフォルム 弐

反吐が出てもおかしくない程糞ッたれな更新をしやがりました私が、ちょっと口直しとばかりに描いた絵をテキスト化しようと思い立ったので焼き直し。どうにもこうにも実験的な行為をするにはまだ技術が足りない模様で、やはり文章でもちまちま書いているのが…

人体のフォルム

→まず貴様の観察 →無 →認識から始まる →象徴化 →視覚化 →立体化 →その延長 →視点の転換 →要素の具象化 →一旦抽象化 →そして視点の調和 → → →再構成 そして貴様は自らのフォルムを他人の眼を通して象る、僕たち私たちはこういったフォルムを持ち得た存在であ…

サイクル→サークル

昨日の鴉が先ほど俺のところへやって来たので少しばかり世間話を交わしたのだが、最近カラスの生態系にも異常が出てきているようで、ちょっとした雑談の筈が数時間に及ぶ愚痴を聞かされる羽目に合った。 鴉曰く、我々の総体的な数が都会周辺で増殖したことが…

鼠の一日

俺が田園風景並ぶ畦道をゆるりと歩行していると、一匹の鼠がそこを颯爽と駆けていったわけで、よくよく拝見させて貰えば何やら米粒が口元にへばり付いている様子、たかだか鼠一匹が運ぶ米粒に何を目くじらを立てる必要があろうか、等と貴様らが仰りたい気持…

彼女について

ただの糞作品。 ただの馬鹿げた恋愛物語。 そして、ただの予定調和。 意味なんてない。 だけど、予定調和だなんてことなんて当の本人たちには当たり前のように判らないことであったし、彼らはそんなつもりでその日を生きていたわけではない、ってことを多少…

一日百件

一日百件で飛んで来られた方へ。 無事終了しましたが、長文が多すぎた為にログが三分の一程消えてしまい、個人的な美学がその不完全なフォルムを好まないという理由から、一つを除いて全ての文章を消去させてもらいました。不本意な結果ですが世の中はいつも…

彼女との対話

純文学或いはその他の要素についての対話 「つまり僕は思うんだけれども、最近の純文学と呼称されているものには嫌悪感さえあるというわけだ」 「つまり彼らのとっているスタンスとそれを評論している人間が気に入らないというわけね」 「言いたいことはあら…

虚無への供物

例えば生きる意味の喪失を図る。 全てを失い、行動を起こす対象すらもいない世界、一切は無味無色無利益無感動に過ぎ去って往くその状態、周囲を陥穽で埋め尽くされ身動きは取れずレスポンスもままならないこの状況、生きるためだけに生き続けるという矛盾を…

作家別書籍所有率調査

今さらながら。 →作家別書籍所有率調査 所有していない作家は、五十人丁度でした。

彼女について 二

ヘリウム核が原子核融合を起こす、南極の氷が静かに融ける、子供の足が地雷で吹き飛ぶ、遠くで銃声が聞こえる、猫が足早に目の前を通り過ぎる、このリアリティ。夕方の歌舞伎町。 どういうわけだか知らないが、彼女はガムが好きなのであって、というよりもガ…

変身

日曜の清々しい空気が俺の頬を通り過ぎ、降り注ぐ陽光が瞼の下まで眩しい、強烈な日差しとアスファルトも溶けだす熱気、加えて庭の向日葵どもに水を与えなければいけないという義務感から仕方なしに体を起こす動作を試みるに、なにやら不思議な違和感が頭を…

百合属性

ところで、なにやら各所で小生の位置する中学生という要素が女子中学生はてなと呼ばれる無駄に淫猥な響きで興奮を促す儚き媒介を通じて流れている様子で、某所では年齢詐称疑惑まで出る始末、それが単なる無知を曝け出す所業と理解をしていながらもどこか遠…

19世紀

ムーランルージュの隅の席に腰掛けフレンチカンカンを眺めながら、俺はゆっくりと右手を掲げロートレックに乾杯、勿論宵の口にギムレットは早すぎる感が否めない故杯にはアブサン、パリに住む俺たちの相場は決まっている。 フレンチカンカンの舞台で舞う踊り…

一人の天才

村上龍と町田康、そして安部和重、この三方との類似性について先日指摘を受けたわけだが、一重にそれは正解であり、しかしながら不正解でもあるわけで、確かに類似性の面での否定は俺に出来るわけがないのだが、一つの観察点から観るに問題は影響、俺という…

ジャメヴ

前日まで俺は確かに絵を描いていた、その情報としての正確性は或る程度信頼でき、アトリエ内、俺の周りに居た何人もの友人らが、自らのたかが知れた力量で描いたような或る種吐き気を催す生臭い平板な口から漏らしたわけで、確かに俺は絵を描いていたらしい。…