2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

安楽死

医者が安楽死を患者にさせるのは正しい: T or F 面接官は俺に問うた。 人生に置き忘れた何かがあるとしたらそれはあいつだ。あいつは常に俺自身であり、俺を導くいわゆる一つの誘導灯、一心同体であり、しかしそれでいてある種の共有部分を含まない一つの存…

妄想性

生きるという或る種の感覚において、俺の意思は必然的に無視される。それは俺が特別な存在であり続ける為には―それが普遍的に自己満足だったとしても―絶対的に必要なものであって、単なる一つのツールとしての意味合いだけではなく、物事の根本原理を追求す…

悪党の墓

その時突然俺の胸の隙間から現れた百合のツボミが花開き俺を丸呑みにしたグシャ。思うに今日という日は明らかにおかしかった。何故ならば、昼も過ぎた夕闇の中、淡い着物と番傘を肩に据えた或る種の浪人とでも言える様な風体の男が俺に近づいて来たかと思う…

19.7%

屋根の上でコサックダンスを始め、足を滑らせ、そして転落し打ち所が悪くてそのまま眼を覚まさないこのリアリティ、俺は今三途の川の対岸75メートルくらいの水面を船の上でゆらりゆらりと揺れている。そうか俺は既にこの世の住人ではないのか、否、既に俺が…

現実という非現実

真冬の校舎裏にうずくまっていると俺の眼の前をストロベリーパンティーが通り過ぎた為、まさかこれはひょっとして告白タイム開始の合図か、と勝手に早合点し近くの鉄棒で懸垂を始めたところ、ちょっと待ったぁ、の声が掛かり一人の男が腕立て伏せをしながら…

昼下がり

或る晴れた昼下がり、そして英国、俺が午後のティータイムにかこつけゴールデンバットを燻らせていると、ジョンキーツが俺の目の前に現れやがったのであって、折角だから世の中の現象について少しばかり語ることにした。まぁまぁ立ち話もなんだからどうぞ座…

本音と建前

ある時ある場所。俺とトモカとタカヲ、三人が仲睦まじく暮らしていましたとさ。 そして俺は鉄パイプをトモカの頭に向かってスウィング、そのまま倒れたトモカの柔らかくて美味しそうな眼球に鉄パイプを突き刺す、クチュクチュツルン。驚き目を丸くしその三秒…

広がる空

高い位置にいるカラスにやぁやぁこんにちわ僕は東京のとある中学校の三年生になったばかりなんですがちょっとばかしあなたが居る場所まで連れて行ってはくれないでしょうか、とお願いしたところ了承された。 BGM:TOP OF THE WORLD BG:夢が広がる夜明け前の…

火星人

ワルツ10番に合わせてラ・マンと踊りに耽っていると大きな地震が俺たちを襲った。地震と言うより、地鳴り、揺れよりも音が俺たちの鼓膜に突き刺さるように建物の中に響く。ラ・マンの腕を取り揺れと強烈なサウンド、そしてそれをさらに助長する音楽に身を任…

鏡の国の冒険

とにかくそろそろ俺の人生をカーテンフォールさせようと思い立ちエンパイアステイトビルの屋上に立ったはいいが、突然空からアリスが降ってきたのであって、俺は鏡の中に吸い込まれていった。普通の人間なら恐らく震え上がって失禁でもする状況だが今日の俺…

ジッパー

「ねぇまふみんはさ、恋したことある?」「いやない、そして恐らくこれからもないだろう。でももしかしたら愛することは有り得るのかもしれない。そんな気がする」「恋と愛か、その二つは何が違うのかな?」「さぁ実際のところ僕にもそれは判らないんだよ」…