2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

エイプリル

上野から山手線で出発し秋葉原で総武線に乗り換え一駅つまり御茶ノ水でタイミングよく現れた前の中央線に乗る、そして新宿を通り過ぎたあたりであらかじめ持ってきておいたポカリスウェットを三口飲むんだ、そしたらそこからが俺たちの世界だよ、ようこそ虚…

悪魔の証明。

猫が鳴いたと思ってこの糞猫がぶっ殺してやるぜと息巻き殺虫剤とライター片手に探し回ってもどこにも居らず、よくよく考えてみるとと鳴いていたのは俺だった。 おいおい俺猫になってんじゃんでも俺殺虫剤とライター持ってるぜ、と自慢げにそれらを振りかざし…

雨に濡れる

最近よく電信柱の上に立って世界を見下ろしている。するとどうだ、知らず知らずのうちに涙がこみ上げてくる。いったいどうしてか、と自問してみるも答えは見つからず、この世界を憂えているのか、このちっぽけな俺自身の存在を嘆いているのか、それともある…

AS YOU LIKE IT

愛してるよ。という言葉を残して彼女が新宿の夜露と消えた日、旧ソ連に核が129個投下され、そして国ごと姿を消した。とにかくさ、あなたはどこか抜けてるのよ、判らないかな、時計塔の掃除をしている大男が歯車の隙間にモップを挟んでネチネチと引き込まれて…

エディチュール

火曜がやって来たので「くたばれ健康法」でもまた読もうかと思い仕方なしにページを繰ろうとしていたら、突然俺におよそトドかと思う程の巨大なボストンバックが襲い掛かってきたのであって、それを回避する為には「くたばれ健康法」を犠牲にする他は選択肢…

人間の塊

鋼鉄の国からやってきた転校生が俺の腕にひんやりとした腕を巻きつけてきて、君の柔らかいこの皮膚を少しばかり改造させてくれないか、と耳に妙に生暖く青白い息を吹きかけてきたので了承したところ俺も鋼鉄になった。 せめてアイアンマンよろしく俺のドリル…

頚動脈

スミス&ウェッソンのナイフであんたの頚動脈を切りつけようと思うんだが異論はないか、と質問された俺は仕方がないので、いいよ、と小さく答えた。弾性のある動脈がぷちぷちと音を立ててゆっくりと俺の身体のサイクルから離れていこうとする瞬間を俺は感じ…

蛆虫

ねぇ、今朝のことだよ、本当に今朝早くのことさ、起きたらねベットのシーツに血でこう書いてあったんだよ、そろそろいいんじゃないかい、ってさ、そしたら急に心臓が締め付けられて痛い痛いよ、叫ぼうとしても声がでなくてね、ふとよく見ると一匹の小さな鼠…

くたばれ健康法

人生の岐路に立たされてからこの方、俺は永遠に電車の中で座り続けているわけであって、奴が止まるたびに糞を吐き出しついでに更なる栄養物を取り込もうと必死になる様を見るにつけ俺はラジオ体操を始めるのだ。一時間半くらいの周期でぐるぐると回り続ける…

気泡。

するとどうだ、世界が分裂し始めたではないか。 はて、いったいどうするか、と考えていると、いつもはどこか遠い彼方を教室の端っこから眺めている委員長が、せめてこの気泡に乗って人生を謳歌しつつ叫ぶのがいいと思うよあまりロマンティシズムを語らない程…

エゴイスト

キスされたくない、と感じている。しかしキスしたい。例えばこうだ、俺が飼っている猫がじゃれてくる時、大抵奴はすぐさま俺の唇を奪おうとする。これは至って奴にしてみればたたじゃれているだけの普通の行為であって特に意味はなく俺の多少潤いの或る皮膚…

谷間の百合

背の高くて綺麗な女の子とセックスしたホテルからの帰り道彼女に聞かれた、ねぇ群れたい気持ちだとか孤独に成りたい気持だとかそういう感情っていったいこんな小さな人間の何処に詰まってるいるんだろう、って言葉が俺の頭の中をぐるぐると回りやがっている…