AS YOU LIKE IT

愛してるよ。

という言葉を残して彼女が新宿の夜露と消えた日、旧ソ連に核が129個投下され、そして国ごと姿を消した。

とにかくさ、あなたはどこか抜けてるのよ、判らないかな、時計塔の掃除をしている大男が歯車の隙間にモップを挟んでネチネチと引き込まれていく時そいつの髪の毛に止まってる蠅みたいにどこか抜けてるのよ、だからこれを渡しておくわ、このスイッチ、押したくなったら押すの、そしたらあなたの思い通りになるからさ、きっと。

笑顔を向けた彼女の言葉を信じてスイッチを押したところ、いつの間にか俺はソ連の土と化し、核が落ちる瞬間を見ることが出来た。しゅるるるるるるるるるるる。

どかーん。

連鎖的に爆発していく奴らの卵どもが反応を起こし誰も彼も気付かない間に粉塵と化していく姿を見るにつけ俺は天国を想像する、こここそが地上唯一の楽園であると。俺の長い時間をかけて形成された四肢は吹き飛び、内臓が露出し、一気に吹き飛ばされ、そして俺は消滅する。それでも俺は天国を想像するのだ。

俺は声を聞いた。

ねぇ、今日の夕食は久しぶりにピロシキでもたべ

俺は声を聞いた。

ぇは俺のママの仇だ、ぶっ殺してやる、このコイ

俺は声を聞いた。

えばもう結婚してから一年か、早かったね、これ



皆平等だ。