蛆虫

ねぇ、今朝のことだよ、本当に今朝早くのことさ、起きたらねベットのシーツに血でこう書いてあったんだよ、そろそろいいんじゃないかい、ってさ、そしたら急に心臓が締め付けられて痛い痛いよ、叫ぼうとしても声がでなくてね、ふとよく見ると一匹の小さな鼠が僕の手首を齧ってるんだ、虚ろな目をこっちに向けてさ、僕はそいつの歯をゆっくりと折ってやったよ、ペキッってね。

そしたら気付いたよ、ジェットコースターから飛び降りる要領で人生からも脱落出来るとしたらさきっとそれは楽しいことなんだ、ってことにさ。真っ逆さまに急降下していきながら気軽にし失禁でもしてマリア様よろしく手を組む、それで目を瞑って頭からグシャッ、そしたらきっと出てくるよ、僕の割れた頭蓋の奥からもぞもぞと這い出でてくるどす黒い蛆虫たちがさ。ねぇ、約束だよ、見てくれよ、その蛆虫をさ。それで確かめてくれないかな、顔をさ。僕の顔をしているかどうか。ねぇ、いいだろ?