2005-01-05から1日間の記事一覧

□オズワールド

もし物語りに拳銃が出てきたのなら、それは発射されなければならない、というチョーホフの言葉を信じて、何かしら私の人生にとって特別を保持するような物体に対して有用性を考えたり、なんとかして使用を試みたりして、例えば偶然にも手からこぼれ落ちたバ…

□かメ人間

斜陽が窓から差すというとまるで夕暮れの一刻を思い出すのが常かもしれないが、実際は暁光でも斜陽は容赦なく寝ている人々に降りかかる。そこには幾ばくかの光の明度の違いが表れるのだが、同じようにオレンジ色を浮かびあがらせる。だから我々は徹夜明けに…

□塩と水

夏も真っ盛りの八月半ば、部屋を差す陽光が激しく壁に掛かる温度計を見ると針は三十八度を指していまして、湿度の方は如何なものかというと八割弱、流石の私もこれはやっていられないということで冷蔵庫を開けその前で涼んでいた。それで気付くと冷蔵庫の奥…

□セクサロイドは眠らない

セックスとタマネギはよく似ている、ということを友人が言っていまして、理由は誤魔化されてしまい教えてもらえなかったのだが、頭の中でそんなことをずっと考えていると、確かに似ている気がしてくるから不思議なものである。昔私が付き合っていた彼女は何…

蜀犬な+(蜀犬)

昔飼っていた猫は、私が机に向かって勉学に励んでいる時いつもじっと部屋の片隅を見つめていた。不審に思った私が猫の名前を必死に呼んでも決して振り返らず、ただひたすら何もない空間を睨みつけ、たまににゃぁと鳴いた。 蜀地方は霧が深く見るもの全てを遮…

□ファブリース

「君が考える愛というものが判らないから少しばかり旅に出ます」というような事を吐いて恋人が去っていったのも今となっては昔のことだが、そんな日は壁に掛かっているアインシュタインのフォトグラフを見ては真似をして舌を精一杯出す。そうやって斜に構え…

□リンクコメント

愛してやまないサイト様方に勝手にコメントをつけてみたりしたのですがどうにもこうにも失礼極まりないことを書いている気がしなくもありませんが頭の弱い子の戯言だと思って聞き流してあげてください、はい。