恩返し(九件)(18:09)
私は昔アワビを助けたことがあります。
まだ私が幼い頃、旅館の夕餉にそっと出されたアワビ。火あぶりにされ踊り狂っていたそのアワビを私は浜辺から投げ、逃がしてやりました。海へと投げ出されたアワビは、なんだか嬉しそうにしているようでした。
「そう、私があの時のアワビ、アワビだったんです!」
「はぁ…」
「恩返しさせていただきます!」
「はぁ…」
「恩返しさせてください!」
「いや…どんな?」
「それゎ…(照)」
「照れられても…」
「私のアワビはあなただけのものです」
「いや、君、アワビなんじゃないの」
「私のアワビはあなただけのものです」
「二回言われても」
「私のアナr」
「それ以上言わないで!!」
「いや、別に変なことじゃないですよ」
「そうなの?」
「ただのアナルです」
「あー…言っちゃった」
「いや、本当に変なことじゃないですよ」
「なに、まだ言い訳があるの」
「私のアナルはあなただけのものです」
「そのまんまだし。もうアワビ関係ないし」
「そんなに私が嫌いですか」
「そんなこと言われても」
「私がアワビだからですか」
「いや…それもあるけど」
「女なんてみんなアワビみたいなもんじゃないですか!」
「その発言はまずいですよマジで」
「でも、あなたのことが好きなんです」
「君…」
「あ、あんたのことなんか好きじゃないんだからっ!」
「ツンデレ」
「あ、あんたのことなんか好きじゃっデッ舌噛んだっ!」
「どじっ娘ね」
「あ、あんたのことなんか好きじゃデッお前の舌噛んでやる!」
「ヤンデレね」
「駄目ですか」
「駄目ですね」
「私がアワビだからですか」
「もういいよ」