フラワー

花の色はうつりにけりないたずらに
    我が身世にふるながめせしまに
 
       ――小野小町


真夏にクーラがガンガンと効いた部屋の中、幻想的なお花畑で妖精たちが飛び回っている風景を想像したりして一日を過ごすとその日の夜はゆっくりと眠れる気がするのだが、別段そういうわけでもない、むしろエネルギを全く消費しなかったことから睡眠欲の湧いてくる気配がパーフェクトにない始末、なるほど、こうして俺の体内時計が少しづつ狂ってゆくのだろうか、と今日も暁光が俺の眼を刺激して止まない時間帯に就寝する、そのリズム。


だらだらと毎日を怠惰に過ごすのが夏の日課だ、それは幼少の頃から全く以って変わらない。多くの小学生たちが八月三十一日にホームワークを行うというのだが、ご多分に漏れず俺もその類であったし、夏の記憶と言えば、糞五月蝿いセミの声を遮断する密閉された涼しい部屋と夕暮れの市民プール、あと強いて言えば泳ぎ疲れてヘトヘトになった体には格好の栄養剤になるソーダ色のガリガリ君、夏など涼むためにあるのだから昆虫採集やらに行って汗をかいてはにへらにへらと喜んでいる輩などは唾棄すべき生き物として冷たい視線を送っていた。


夏ですから、と言って海や山に行ったり、何故だか知らないがディズニーランドなどの人ごみに埋もれたりして、その後に飲むビールは人生の蜜であるとかなんとか叫んでいる輩がいるのだが、エアコンディショナのお膝元で飲むビアほど美味なものがあるだろうか、と俺はサジェストしたい。今年もそんな夢のような生活を送っているとは露知らない友人どもが【夏休みを利用してビーチへひと夏のアバンチュールと洒落込もうぜ?もちろん女の子は現地調達だよね(笑)】などというセンスのカケラもないようなメールをどしどしと送信してくるのだが、少しばかり足りない脳味噌で考えて欲しいものである。


そんなことを考えたりしながら毎日を過ごしては映画鑑賞音楽鑑賞はたまたアルコール漬け、科学万能の世界を与えてくれた神に投げキッスして分厚い羽毛布団に包まって寝たりしていたそんなある日、たまには外の世界へと赴かないと食料が足りません隊長!的な事態が一週間に一度くらいはやって来るので、夕涼みの時間を利用して出かけることにした。夕方のこの時間であるし、大して恐怖はなかったのであるが、ドアを開ける瞬間はいつも全身に鳥肌が立つ。なんといっても外は別世界、喩えて言うなら昭和基地から無防備で白銀の世界へと降り立つようなものである。かなりの困難を極めるとともに、意思の強さが必要だ。元来お前は意思が弱い弱いと親戚一同から口を揃えて言われ続けてきた俺にはなかなか出来る芸当ではない。しかし、それでも俺は勇気を振り絞ってドアノブを回す手に力を入れる。そして、一気に部屋の中に充満する陰湿な空気とともに解放する。


■→□


真っ赤な斜陽がアスファルトを溶かしてヒートアイランド、本日の最高気温はファーレンハイト110、陽が沈む頃までにはアスファルトが溶けたことによるショック死及び熱中症と見せかけた汗疹による全国での死亡人数は一万人程度に昇るでしょう、と一生売れることのないカラーペンたちが使用可能なのかどうか確かめるため試し書きを繰り返す吉田文具店店主吉田茂を父に持つお天気予報士【吉田美奈子】が俺の頭の中でナレーションをしだすほど外は暑かった。部屋の中から外へ向かう冷気と、外からの暖気が混ざり合う。アパートのドアを開ける手が自動的に止まり、立ちくらみからか一瞬視界がぼやける。


この暑さはやってられんよ全く、と思い食糧の買出しを諦めるか否か少し考えたのであるが、どちらにせよこの熱を帯びた日々は暫く続くようであるし、食料はいずれ尽きるしと考えあぐね、結局近くの商店街までの道のりを亀の行軍とばかりにのろのろと突き進むことにした。出来る限り影のある場所をゆっくりと歩くことで最小限のエネルギ消費に留める。一滴の汗も無駄には出来ないのである。


ジリジリと肌を焦がす陽射し、交尾を求める蝉たちの雄叫び、通りがかる豊満な体を持つご婦人から流れる今にも沸き立ちそうな汗、その全てが俺を狂わせる。商店街へと続くただ真っ直ぐなだけの細い道も、何故だかぐにょんぐにょんと曲がりくねるように姿を変貌させ俺を惑わそうと試みる、俺もそれに応えて目を回し体を無理にねじってみると、急な寒暖の差に体がついていけないのか、バナナの皮に滑ってしまったかのように転んでしまった。血が頭まで回らず、身動きが出来ない。後ろ首の付け根から鈍痛を感じたので腕を回すと、手のひらにべっとりと血がこびりついていた。


おいおいおい、遥かな食料求めて三千里と言ってみたはいいがお先真っ暗なスタートじゃねぇか糞野郎、タダでさえ反吐が出るくらい暑いのに、五月蝿い蝉やら豚みたいな女やらで世界中は埋め尽くされて、ちょっと気を抜くと道は血でべっとり、やる気がおきない。地面を見れば蟻たちですら積極的に日向を避けては小さなブロック塀とアスファルトに出来た細かい影を出来るだけ伝って餌をへいこらと巣に持ち帰っているし、俺だってそういう楽な道をなるたけ通ってゆきたいものであるし、蟻に出来て何故俺に出来ない、無性に腹が立ってくる。


それでも俺はゆっくりと立ち上がり、ジーンズについた砂埃を軽く払う、ポケットから真新しいハンカチを取り出し首筋に当てる、少し痛むが商店街で買い物をするくらいなら支障はないだろう、そしてまた一歩、一歩、着実に歩みを進める。なるべく影を伝い陽射しを避ける、どうしても日光が当たる部分はそれとして多少――これは本当の意味で多少、すなわちエネルギ消費を出来るだけ抑えての【多少】である――スピードをあげる。全く以って堅実である。しかしながら、堅実というものこそゴールへ向かうための近道の要素なのである。


俺が真夏の夕暮れの中、ただただ堅実という言葉を胸に商店街への道をひたすら歩いていると、先ほど俺の横を過ぎ去って行った例の豚夫人が俺に話しかけてきた。「やっぱり誰かと思ったらポーツハイム701号室にお住いのおぼっちゃんね、最近見かけないと思ったらこんなところで何してらっしゃるのかしらゲラゲラゲラ」一瞬、豚が話しかけてきたので俺はいったいぜんたい夢でも見ているのだろうか、と思ったのだが、よく見ればそれは俺の部屋の隣に住んでいるまだ若い身体を持て余している未亡人の友人の娘の友人の母親であり、つまり他人であった。だが以前から二言三言は話している仲であるので無視は出来ない、俺は行儀良く応える。「こんにちは奥さん、お元気でしたか。僕も最近は少しばかり勉学の方が忙しかったものであまり会う機会はありませんでしたがなんとか生きていますよ」「それは良かったゲラゲラ、なんだか部屋の中で延々と怪しげなことをしているだとか、異臭がするだとか、突然この世のものとも思えない叫び声が上がるとかで、良い噂をお聞きしなかったので心配していらしたのよ」「それは心配をお掛けしました、でわ先を急ぎますので」話を早々に打ち切り踵を返す。しかしそれでも背後から豚の鳴き声のようなものが追いかけてくる。「あらあら、そんなに急いでしまって、もしかしてあなたも商店街のお祭り目当てなのかしらね、楽しんでらっしゃいねぇゲラゲラ」俺はその声を振り切り商店街へと急いだ。


商店街の道を堅実に、且つスピードを増して歩いている間、先ほどの豚婦人が仰々しくぺちゃくちゃと喋っていたことを思い出す、すなわち祭り。しかし俺は考える、はてこの辺りで祭りなどやっていたかしら、と。俺がこの地に居住を構えてから数年、確かに夏の間はパーフェクトインサイダーとはいえ、新聞チラシは勿論のこと、一応回覧板まできっちりと目を通していた。思い返してもそんな祭りを示峻するような情報はなかったと思うし、或いは俺の単なる見落としなのかもしれないのだが、そのような催しがあるという話さえ回っては来なかった。となると、もしかしすると今年からその祭りは始まるのかもしれない。これは人ごみやら何やら他のしがらみに巻き込まれないうちにさっさと用件を済ませて帰るが吉か。


そうこうしている内に商店街にやっとの思いで辿り着く。いつものスーパーに頑張って似せたのだが成り切れなかった近所の八百屋みたいな小店で買い物籠にキャベツやら卵やらインスタントラーメンなどを入れてレジへと向かう。店員が、4857円になります、とじとっとした目で俺を睨む。さて、次は酒屋で少しばかりのハイネケンとワイルドターキ、そしてヤニを仕入れたらその祭りというものが始まる前に早々に商店街を脱出するか、と頭の中で思考を巡らせながらポケットの中をまさぐっていると、大変なことに気付く。財布がない。俺は慌てて、すいませんこれ全部いりません、と言って逃げようとすると店員が、あのぅそれなら全部戻してくださいよ、と言うので財布を取ってすぐ戻る旨を伝えようとすると、だってもしそれで戻って来なかったら私が全部片付けるんですよね、そうですよね、そんな不公平です、私なんか時給600円しか貰ってないのにいつもいつも店長にお前は屑だ豚だお前なんか早く死ねむしろ俺のことをご主人様と呼べこの雌豚がぁぁぁ、って怒鳴りつけられて、今日だって外はなんだか皆ウキウキしてるみたいなのに私だけが仕事をさせられて、休んだらクビですって、うぅっ…、うぅ…、どうせ私なんて、クビですよ、人間の屑で雌豚で店長にお尻を鞭で叩かれたら喘ぎ声を出して喜んじゃうようなM奴隷ですよ、そんな私なんて…、私なんて…、死んだ方がいいんだぁぁぁぁぁっ


俺は仕方なくレジまで持ってきた俺の食料になる予定だったファッキン野菜どもを元の場所に戻しにいく、レジでうずくまったまま泣き止まないパート店員の女子を尻目にキリキリと作業をこなす。たった少しの労働で疲れた体に鞭打ち全ての商品をようやくのことで戻す。なるほど、久方ぶりの運動というものをしたのだが、運動というものが酷く無駄なものである、ということは理解できた。冷房の下であるというのに厭な汗が滴り落ちてくる。


仕事を終えた俺は、じゃぁ終わったので帰りますねそんな落ち込まないで下さい、とだけ店員に一言かけてスーパーを後にする。帰り際に店員が、意外に優しいんですね、私、優しくされるのは慣れてないから何て言ったらいいのか判らないんですけど、多分…、ありがとう…、と言った。俺は何とも返せずに自動ドアをくぐり、後ろポケットからくしゃくしゃになったパーラメントを取り出し、ジッポで火をつける。財布は忘れても煙草を忘れていないらしい。


カローラⅡに乗ってはいないようではあったが、財布ないのに気付いてそのままウォーキング、ってな按配で俺は荒川の河川敷を歩くことにした。陽も殆ど落ち、暑さも和らいだことだし、これから始まる商店街の祭りとやらの雑踏を考えると無難な気がした。歩いている間、ちらほらと浴衣姿の人々をところどころで見かけた。俺は土手を少しだけ下り、適当な芝生に寝っ転がる。クーラーから吹き付ける風よりも河からくる冷たい風が気持ちよく感じる。たまにはそういうのもいいかなと思った。目を瞑ると視界がブラックアウトしてゆき、残ったのは芝生と芝生が擦れる微かな音、河ではしゃぐ子どもたちの声、それに汗をかいた肌に心地好い風、それだけになった。


□→■


わぁわぁとした喧騒が耳に入り込み頭を上げるともうすっかり辺りは暗くなっていた。いつの間にか気付かないうちに眠っていたらしい。土手の方を見やると優に千を超えるような大勢の人間がひしめいては乾杯の音頭を取ったりしている。耳をすませば遠くから祭囃子も聞こえてくる。一瞬これが商店街のお祭りか、とも考えたがそれにしても人が多すぎる。果たしてあの今にも全ての店にシャッタが下りそうな寂れた商店街にこれだけの人を集める祭りを興すことが出来るだろうか、否出来ない、出来るわけがない。いったいこれはどういうことなのか。俺が寝ている間に何かしらのことが起きたのか、それともまだこれは夢なのか、判断がつかなかった。


「やっほー」


混乱している俺の耳元で突然誰かが叫んだ。余りに頭が整理がつかなかったのと突然のこととが相まって、アヒャっ、などと変な声を上げてしまった。なぁにこれ位のことでオトコノコが変な声出しちゃってぇ、とけらけらと笑う浴衣姿の少女が目の前にいた。美しい顔立ちの口元にすぅと引かれた紅が自分をはっきりと主張しているようで、何故だか俺は目を合わせられない。ほらぁ優ぅ早く行くよぉ、少し離れたところにいる数人の少女たちがこっちへ向かって喋りかける。どうやらこの少女に言っているらしい。私はもうちょっとしてから行くから先行ってていいよぉ、そう少女が応えると、もういつも優は勝手なんだから、とぷんすかしながら去っていった。そして少女がこっちをまた振り返り、目の前でにんまりと笑う。


数秒の間、俺はよく判らないまま少女と見つめ合っていた。やっとのことで俺は言葉を喉から捻り出す。「この人だかりはいったいなんなんだろう」俺は鼻を間が悪い感じがして鼻をわざとらしくかきながら「商店街のお祭りかなんのかい?」そう言うと少女は目を丸くする。「今日が何の日か知らないの?とっても特別な日なのに…、むしろ商店街のお祭りでこんな人が集まるわけないじゃない」けらけらと可愛らしく笑う。「じゃぁ商店街の祭りではないとしたらいったい何なのだろう、検討もつかない、何しろ最近僕は家から出ていなかったものでね」「知ってるよ」「え」「君が家から全く出てないってこと、なんだか部屋の中で延々と怪しげなことをしているだとか、異臭がするだとか、突然この世のものとも思えない叫び声が部屋から上がるだとか、そういう話ばっかり聞こえてくるからね、母さんから」ただ笑顔を浮かび続ける彼女の顔にデジャブを感じる、そして俺は思い出す。「君はもしかして、隣に住んでいるまだ若い身体を持て余している未亡人の友人の娘の友人の、えーと…確か…、優ちゃん?」彼女はゆっくりと立ち上がり笑顔で、そういうこと、と言った。


空には崩れたソフトクリームみたいな雲がもこもこと漂っており、月は立場なさげに雲と雲の切れ間からひょっこりと顔を出しているに過ぎなかった。俺たちといえばさっきから変わらず芝生に寝そべっている。折角の浴衣が汚れちゃうよ、と俺が言うと、浴衣は汚れる為にあるんじゃない、と返された。それもそうだと思った。「ところで本当は何があるのか教えてくれてもいいんじゃないかな、正直なところ未だに僕にはよく判っていないんだ」「まぁ、それもいいんじゃないかな、もしかしたら何もないかもしれないし、何かあるかもしれない」「何その含みのある言い方」二人で目を合わせて笑う。「本当はさ、商店街のお祭りでもこっちでも、どっちでもよかったんだ。ただ友達に誘われたから来ただけ、林檎飴だけ買って帰るのもありかな、ってちょっと思ってたんだけどね」「へぇ、まぁよく状況を理解出来てないから僕には何とも言えないけど…あ、流れ星」「ぇ!まじで!どこどこどこ?くっそぉ…見逃した、お願いはたくさんあったのに」いかにも悔しそうに拳を振り上げ立ち上がる彼女を見てなんだか可愛そうになったので本当のことを言う。「嘘」「ぇ?」「いや、流れ星は嘘、なんか事情を知らない僕が馬鹿らしいから騙しただけ」「なんだぁ…、がっかりしたりして損した」がっくりと肩を落としもう一度芝生に寝そべる。


体勢をまた元に戻した彼女が俺に向かってまた言う。「今私を騙したけどね、次は夜空に本当の流れ星が咲くよ」「また変なことばかり言って僕を混乱させようという魂胆だね」「あっ、信じてないでしょ、そんな人にはもう何も言いません」べー、と舌を精一杯出す。「いーよ、どうせ信じたところで何も教えてくれないんでしょ?」「あらばれた?」また、だけど今度はほんの少しだけ舌を出す。ちょっとした照れ笑い。「まぁいいからもう少し待ちなよ、それで全部判るんだし」ね、と念を押すように付け加えた。


暫くそうやって寝そべっていた。誘導灯に集まっていく羽虫の群れを見ていたり、誰かが手に持っていた風鈴が鳴り騒ぐのを聞いていたり、辺りが少しづつ変調していく姿を見守っていた。横に浴衣姿の少女がいるだけで、俺もなんとなく熱に浮かされている気がしてくるから不思議なものだ。普段は見えたり聞こえたりしないものまで感覚が拾っていく、祭囃子の喧騒やら煙草の先端に灯る蛍の光、そういった目に映るもの全て、耳に聞こえるもの全て、それらが頭の中でミキシングされて象られていくイメージ。それはなんだか川面に浮かんで緩やかな流れに沿って遠くの海外まで揺られていくような暖かさを感じた。


「あ!あ!あ!」


少女が突然声を上げて立ち上がる。手を口に当てて目を丸くして、私は本当に驚いていますよ!というポーズを取っている。「多分あと13秒くらい」俺の眼を見て言う。「何が?」「世界が終わるまでだよ!あと11秒!」「何言ってるのかよく判らないな、じゃぁ何かな、この宴会をして上機嫌に騒いでいる連中どもは皆、君の言う世界の終わりを見に来ているとでも言うの」「まぁ、或いはね」「なんだそれ、まだ夏も終わっていないんだ、休みを使いきる前に世界が終わってたまるか」「休みがなくなる前にまた永遠の休みが来るんだしさ、それもいいんじゃないかな」「ぇ」「ほら、あと1秒だし」


その時のことをもしかしたらずっと忘れないかもしれない。多分、アルツハイマーになっても覚えていたいことでもあるし、出来れば脳味噌の隅っこの方で五年に一度くらいは思いだしてみたいことでもある。


ともかく、夜空に咲いた向日葵は、物凄い轟音を鳴り響かせて俺の目の前で一瞬で散った。それでも、散っては咲いて、咲いては散って、何万発ものフラワーが空を駆け巡って、闇の中へと消えていく。別に俺はそれを美しいとは想わなかったのだが、なんだか壮大だな、と、遥か空の向こうに消えていく光たちに思いを馳せていた。ね、世界が終わちゃったでしょ、でもね、また新しい世界がすぐ始まるんだ、一瞬だけの世界が何回も何回も繰り返されるの、そう、夜空でね。


無数の光の帯の下、河川敷の方を見ると、本物の向日葵が羨ましそうに空を見上げていた。